一般財団法人 全国落花生協会

2022.11.11

11月11日は「ピーナッツの日」です!

だんだんと秋が深まってきて、落花生の収穫も終盤を迎えています。落花生は品種によって収穫時期が異なるため、もうすでに令和4年産の落花生を食べたという方もいらっしゃるでしょう。
11月11日は「ピーナッツの日」です。1つの莢(さや)に双子のように2粒並んで入っていることから、1が2つ、11が2つ重なっている11月11日に定められました。※ちなみと落花生とピーナッツは同じものです。詳しくはこちら

落花生の収穫時期になると、話題になるのが茹で落花生。SNSでも、直売所やスーパーで入手した生の落花生を茹でた方の「おいしい!」「止まらない!」という投稿を多く見かけます。普段、店頭で目にしているのは、「煎り莢」「煎り豆」という、生の落花生を乾燥させてから殻付きのまま、または殻を取って薄皮付きの豆を煎ったものです。生の落花生というのは、畑から掘り出した状態のものです。生の落花生を茹でたものと煎った落花生、どれほど違うのかというと、枝豆と大豆と同じくらい違います。
落花生の品種の中で茹で落花生に向いているのは「郷の香(さとのか)」と「おおまさり」で、「おおまさり」は普通の落花生の2倍はある大粒の品種です。その「おおまさり」の後継品種として「おおまさりネオ」が誕生したと聞いて、千葉県富里市へ取材に行ってきました。

千葉県北部・北総大地の中央に位置している富里市。利根川に注ぐ根木名川と印旛沼に注ぐ高崎川の分水嶺となっているため肥沃な大地に恵まれ、のどかな田園地帯が広がっています。落花生の街・八街市に隣接しており、八街市と富里市辺りの落花生栽培は大正時代に始まりました。スイカとニンジンで有名な富里市ですが、落花生栽培も盛んです。JA富里市の組合長、根本 実さんをお訪ねしました。

写真上:富里市の落花生畑。掘り取った落花生は積み上げて自然乾燥させます。この積み上げた状態を「ぼっち」と言います。雨を防ぐためにてっぺんを覆っているのは、昔ながらのわらで編んだ「ぼっち傘」。近年ではブルーシートを使うようになったため、わらで編んだぼっち傘を被ったぼっちはなかなか見られなくなり、この畑の写真を撮りに訪れる人も少なくないそうです。写真下:左のご夫婦が上の写真の畑でQなっつをつくっている、石井皓之さん、愛里さんご夫妻。ぼっち傘は皓之さんとお父様が手づくりされています。この頃ではわらを手に入れるのも一苦労だそうで、入手できたわらですでに来年のぶんのぼっち傘もつくってあるそうです。右がJA富里市の根本 実さんです。

新品種おおまさりネオについて、根本さんにうかがいました。
「JA富里市では直売センターを2店舗運営しており、東京からも買い物客が来ます。煎り莢、煎り豆のほかに、ピーナッツバターや菓子類などの落花生加工品も多く扱っています。9月から10月までは生の落花生も置いていてよく売れますが、おおまさりは特に人気がありますよ。おおまさりネオはおおまさりの後継品種で、おおまさりに比べて株の広がりが少なく、病気にも強く、育てやすいのが特長です。大きさ、食味はおおまさりと変わりません」
根本さんの畑でつくられたおおまさりネオを見せていただきました。大きさはおおまさりと同じで、試食もさせていただきましたが、おいしさも変わりませんでした。

左:茹でたおおまさりネオと、千葉県で最も多く栽培されている品種「千葉半立(ちばはんだち)」の煎り莢。おおまさりネオがどれほど大きいか、よくわかります。

おおまさり、おおまさりネオは里芋と栗とクワイをミックスしたような味わいで、ねっとりしているのにサクサク感もあり、コクがあるのに野菜の風味もあるという、他に似たもののないおいしさです。特に茹でたては格別で、食べ始めると止まらなくなります。
「今後、おおまさりはおおまさりネオに切り替わっていく予定で、おおまさりといえば新品種のネオのことだと思っていただければいいと思います」と根本さん。生の落下生の販売時期は終わろうとしていますが、茹で落花生の冷凍品が各所で販売されています。旬のおいしさ、茹で落花生をぜひ味わってみてください。